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第10話 勇者が俺を連れ戻しに来た

last update 게시일: 2026-09-17 22:07:22

第10話 勇者が俺を連れ戻しに来た

晩餐会を中断して謁見の間へ向かう途中、俺は何度も右手を握り直していた。

寒いわけではない。それでも指先が、雪原へ捨てられたあの夜と同じように震えている。

神崎怜央と再会すると聞いた瞬間から、記憶の中に埋めたはずの光景が、嫌になるほど鮮明に蘇っていた。

古代神殿の壁画を解読し、人間王国が休戦協定を破って竜帝国へ侵攻したという事実を突き止めた日のこと。俺がその内容を怜央へ報告すると、彼はしばらく黙り込み、やがて困ったように笑った。

「遥人、お前の能力が便利なのは分かってる。だけど、世の中には正しいからって公表しちゃいけないこともあるんだよ」

あのときの俺は、まだ怜央を仲間だと思っていた。だからこそ、真実を国王へ報告すべきだと食い下がり、王国の戦争に正当性がないことを説明した。

翌朝、古代神殿の解読は怜央の功績になり、壁画の内容は「竜族による人間侵略の証拠」へと書き換えられていた。そして俺は、虚偽の報告で勇者一行を混乱させた反逆者として拘束され、その日の

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